◆第三句集
父母になき余生賜り実南天
父母共に老いを知らずに逝ったので、私がこの歳まで長生き出来たのであろうか。父母からの贈り物と思い父母にも感謝したい。
(あとがきより)
◆収録作品より
轆轤操る手元に秋陽引き寄せて
象老いて足踏みばかり入彼岸
一福で足る老いの身の福詣
墓洗ふ刻字の中は指先で
語るほど老に茶目つ気ソーダ水
静謐に混み合ふ医院五日はや
短夜や捨つると決めし本読みて
いまもなほ泳ぐ夢みて卒寿なり
スイッチの多さよ新居の鉦叩
懐に鯛焼二つ大正人
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[はなわよしこ(1920〜)「萬緑」同人]
装丁:君嶋真理子
四六判ソフトカバー装グラシン巻
204頁
2018/4/18刊行