◆第一句集
袴著の走れば背ナの鷹翔てり
七五三の句で、男子は五歳で初めて袴をはく儀式があったので、その子を「袴著」と詠んでいる。走った時に羽織の背に大きく描かれた鷹が翔び立つように感じたという句で、至って新鮮である。
(序より・深見けん二)
◆自選十句
でこぼこに草を滑りて蝶の影
鯱の天蹴る勢ひ花の雲
木洩れ日や蟻影となり蟻となり
帰省子の父の恙をさりげなく
ダリア咲くここは四賀村金井郷
鳶の舞ふ影のぼり行く崖紅葉
小春日やぶつかつて来る虻もゐて
マネキンの大きな真珠クリスマス
新聞の今日も遅るる雪続く
冷えし手を詫びつつ重ね寒見舞
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[かなざわきょうこ(1943〜)「花鳥来」所属]
序:深見けん二
装丁:君嶋真理子
四六判フランス装グラシン巻
204頁
2018/4/18刊行