◆第一句集
心奥に曙光の海や金盞花
生きることそのものに何の苦労も覚えたことのない人間には到底気づくことのない、心とは何か、愛するとは何か、そんな人間が人間であるための一番大切な想いがこの句集には籠められている。
(序より・長嶺千晶)
◆自選十句
心奥に曙光の海や金盞花
春の星プラチナ色の森に座す
カーネーションその微笑みを裏返す
「ちひろの絵」にじむ夕焼け戦火くる
鉄錆に千の爪あと原爆忌
一番でなくてもいいよ青瓢
狐来て絵本の窓を開けてゆく
雪しまきコントラバスの夜が更ける
一行の詩ありて死なず枯野人
春の虹いまも窓辺に猫の椅子
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[きむらかつみ(1950〜)「晶」同人]
序:長嶺千晶
跋:朝吹英和
装画:糸大八
装丁:君嶋真理子
写真:佐藤真理子
四六判フランス装カバー装
202頁
2018/4/1刊行