◆第一句集
呼びし子の跳ねて応ふる冬田晴
子どもの生命感がきらきらと溢れている。こんな純粋な句は、純粋な心を持った作者にしか詠めない。
(序より・村上鞆彦)
一箸の飯のひかりや梅雨の明
季節の移ろいに自らを合せて、丁寧に生きているのだと思う。季節と生活を慈しみ、楽しんでいるのだ。
(跋より・津川絵理子)
◆自選十二句より
盲ひたる人の正視や水の秋
木の梢の光輪なして二月来る
舞ひもどる紙飛行機やみどりさす
マクベスの科白続きて梅雨深し
脱ぎて置く媚薬のごとき夏手套
青葡萄しづかに潮満ち来たる
アクセルを踏む残像の寒椿
まんさくやまだ陶工に土固き
蜷の道ダリの時計の刻流る
青梅や父の勘気のありどころ
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[そのだけいこ(1937〜)「南風」同人]
序:村上鞆彦
跋:津川絵理子
装丁:君嶋真理子
四六判フレキシブルバックカバー装
198頁
2018/3/26刊行