◆第一句集
突き抜けて寂しからずや今年竹
ぬきん出ているものに、誇らしさではなく孤立の姿を見てとった。人間界を思わせる。
こうした人生や世情に深く根ざした秀句佳句を今後も期待してやまない。
(帯より・鷹羽狩行)
◆自選十句
狂ほしきまでに吉野の夜の桜
善処とはなにもせぬこと万愚節
突き抜けて寂しからずや今年竹
ががんぼの足長すぎる細すぎる
破れ蓮完膚無きまで破れ蓮
ハーモニカの空も港も終戦日
美しきものより順に柿落葉
樏を履けば自信のやうなもの
やさしさは羽子打ち返すやうなもの
巌より飛ばす裏白グライダー
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[いながきいつお(1944〜)「狩」同人]
序句・鑑賞四句・帯:鷹羽狩行
装丁:君嶋真理子
四六判ハードカバー装
192頁
2018/6/9刊行