◆第一句集
風なきにどこかが揺れて糸ざくら
枝垂桜の枝々のしなやかさをずばりととらえて余すところがない。
「三虎」の俳号は、このように硬軟合わせ持つ著者の作風を象徴しているかのようである。
(帯より・鷹羽狩行)
◆八染藍子抄出
風なきにどこかが揺れて糸ざくら
都をどりみやこ育ちの妻に蹤き
音のなき楽といふべし螢沢
変幻の尽きぬ螢の星座かな
白毫の光失せざり五月闇
しまうまの縞のあざやか夏木立
風に立ち汝も花野の花となる
丹の塔をそびらに松は色変へず
雪折れの木々の裂け口よりのこゑ
シャガールの空へ優遊夢はじめ
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[おおすみさんこ(1934〜)「狩」「廻廊」同人]
序句・鑑賞一句・帯:鷹羽狩行
跋:八染藍子
装丁:君嶋真理子
四六判ハードカバー装
214頁
2018/2/20刊行