◆第二句集
半日を雪解しづくの檻のなか
激しい雪解しずくの音が、本格的な春の到来を告げるかのように思わせる檻。
このように俳句表現の多様化が見られ、独特の句境がさらに広がった。
(帯より・鷹羽狩行)
◆自選十句
銀の川銅の麦畑
そのかみの風吹く夜の牡丹園
教室に投げ出されたる素足かな
ががんぼやカタカナ飛んで来るごとく
庭のもの絡まりあひて秋を待つ
十三夜ことばあたためをりにけり
冬来る懈怠に鞭を入れるべく
着膨れの中は餅肌かも知れず
革ジャンパー脱ぎてやさしきことを言ふ
哀歓の数の毛玉や古セーター
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[にしやまはるふみ(1959〜)「狩」同人]
帯・鷹羽狩行
装丁:君嶋真理子
四六判ハードカバー装
198頁
2018/4/1刊行