◆第一句集
着膨れて亀女房と言ひつべし
これじゃあ鶴女房ならぬ亀女房だ、着膨れた妻を見て笑う。なによあなたこそ、間髪容れぬ反撃が聞こえてきそうだ。「東鷭ひさびさのホームラン」と湘子に相好を崩させた快作である。
(序より・小川軽舟)
◆自選十句
墓地へ出る道が遊び場手毬唄
臘八は知らずレノンの忌なりけり
五十代鳴らぬ草笛川に投ぐ
田一枚遊ばせ鶴を呼びにけり
着膨れて亀女房と言ひつべし
誰彼となく縁叩く海鼠桶
何にでも正面のある涼しさよ
昼酒や炎暑働く人眺め
青空は夢の溜り場榠樝の実
遅くまで灯る物置春隣
Amazonでの本の購入はこちらより→ Amazon
*
[かがとうばん(1951〜)「鷹」「椎の実」同人]
序:小川軽舟
装丁:和兎
四六判仮フランス装
194頁
2017/12/13刊行