◆第一句集
明日さらに積る予報の雪月夜
月が出ているので、もう止むだろうと思っているのに、まだ明日も雪だというのである。うんざりしている雪なのだが、雪月夜は幻想的で限りなく美しい。
(序より・三村純也)
◆自選十二句より
寒造米蒼きまで研がれたる
片寄せし二十の草履雪安居
闇汁やひと筋の風覚えつつ
母よりも五六歩先を入学子
更けてなほ砂塵の北京夏の月
新しきもの紅ひとつ初鏡
駅煖炉旧知のごとく囲みたる
金婚の急がぬ旅路麦の秋
木の間より川中島の秋の声
出支度の鏡のなかの朝桜
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[のむられいこ(1939〜)「あらうみ」「山茶花」「ホトトギス」同人]
序:三村純也
装丁:君嶋真理子
四六判ハードカバー装
234頁
2017/11/25刊行