◆第一句集
緑青の屋根に枝垂れの桜映ゆ
ときどきとても心地よい文章に出会うことがある。そうした文章に出会うと、なぜかうれしくていつまでも読んでいたいような気持になるのである。心地よい文章にはおのずとリズムがあって、それが身を揺らしてくれるのである。
俳句もそうである。
(序より・岩淵喜代子)
◆自選十句
一輪を落として誘ふ沙羅の花
秋の虹見たくて芝を踏む素足
緑陰へメナムの河の風誘ふ
糸ざくら触るれば指もくれなゐに
七五三その肩揚のふくらみの
今宵ジャズは発酵す味噌造る蔵
白魚やひらがな草書泳ぎたり
椎の実を拾ひしわれら主人公
舞妓はんに道尋ねゐる実南天
百合鴎飛びくる街に五十年
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[どうまえゆくこ(1936〜)「ににん」所属]
序文:岩淵喜代子
装丁:君嶋真理子
四六判ソフトカバー装
2017/11/3刊行
202頁