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◆ 第一句集
小澤慶子さんの俳句は生真面目な俳句である。対象に正面から向きあい、自己の信実の心を逸らすことがない。(綾部仁喜)
地にふれて人にふれたる櫻かな
立山の頂白し今年米
春動きけり一枚の水の下
紅花の畑ちくちくしてゐたる
枯紫蘇のおのれの影を立てとほす
抱へ来て月日の束の牡丹榾
鳥声を天に返せる氷かな
ややありて水に入りたる初蛙
くたびれて来し壺焼きの炎かな
花びらにとりかこまれて残る鴨
「泉」同人 (1940〜)
定価 本体2571円+税=2700円
序文・綾部仁喜
装丁・君嶋真理子
四六判フランス装
192頁 2007.06.05刊行