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◆ 第一句集
「ひまはりに行進曲を所望せり」擬人化という修辞表現にとどまらず、みな物との融合を果し、作者と一体化となった内容である。いわば芭蕉の到達した「風雅の誠」の一端を、府川さんが表現しえたということになる。
(小澤克己・序より)
蕎麦の花一人指揮棒振つてみる
墨の香を満たして夫の夜長かな
父らしき星と語りて夏惜しむ
家紋うく盆提燈に風入れて
煤逃げの夕日きれいと夫帰る
白鳥の午後のダンス部コーラス部
写経紙に対す誠心虫時雨
錻力板丸く抜かれて山笑ふ
天界の住所検索カーネーション
句画集を幼の書架へ日脚伸ぶ
「遠嶺」同人 (1940〜)
定価 本体2667円+税=2800円
序文・小澤克己
装丁・君嶋真理子
四六判上製函装