◆第三句集
佛教の、或いは僕等の觀念する無常迅速より、
本当にやつて來る人生の無常迅速は
いつも少しばかり無常迅速なのだ。
(森澄雄 「寒雷」1948年12月号「石田波郷論」より)
◆自選十二句より
花木槿今際の言葉などなくて
秋晝寢覺めざるままや失せたまふ
白雨來てなほ考へる人であり
新藥の治驗者となる靑葉風
蝉丸をありし人とし蝉丸忌
桐一葉いまは小さき本能寺
ダリヤ咲くゆゑ戰争を放棄せよ
杖つかふ虹指すためと言うておき
なまはげのなまはげのまま假眠せる
てつさ盛る鶴の羽毛を植うるごと
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[上野一孝(1958〜)「梓」代表]
装画:須加三男
装丁:和兎
A5判ハードカバー装
160頁
2017/8/21刊行