◆第二句集
死は平面しづかに春の逝きにけり
第一句集『全身』上梓より三十余年の歳月が流れた。
母、そして夫と、最愛の人たちを失った。
哀悼の思いをこめてここに第二句集を刊行。
◆自選十句
花八ッ手隣家なまなましくありぬ
夕の虹はげしきことを草に見し
少年のごとくに雛の間をよぎる
木の上に人がゐさうな九月なる
死は何かどまん中なり雪ちらちら
朽ちし木もひとつのかたち春惜しむ
亡骸の手が凍てついてゐたりけり
死は平面しづかに春の逝きにけり
夫の忌の鼻の頭を春逝けり
あつが死んだ日囀りの口が見え
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[かなださきこ(1948〜)「郭公」同人]
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装
184頁
2017/8/1刊行