◆遺句集
祭りが好きだった父は、平成二十八年六月二十六日
ころはよし祇園囃子に誘はれて 立夫
という辞世の句を残し「もうすぐ死ぬから」と言って天国へ旅立って行きました。諷詠現役主宰のまま、沢山の人から惜しまれながらの旅立ちでした。父として師として心から尊敬しております
(諷詠主宰・和田華凜)
◆和田華凜抄出
日向ぼこして自画像のやうになる
黄の記憶また新しくミモザ咲き
まなむすめとはすゑむすめ底紅忌
はや姿整ひをりし朝の鶴
顔見世のはねて夜だけ残りたる
蛍の後姿となりて消ゆ
鳥雲に近江八景置き去りに
花下を行く花嫁舟は上り舟
かまくらにありたる隣近所かな
蟻といふ元気なものを見てゐたる
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[ごとうたつお(1943〜2015)]
序句:後藤比奈夫
あとがきに代えて:和田華凜
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
246頁
2017/5/10刊行