◆第四句集
てふてふとなり驚いてゐるらしき
「雲母」は、平成四年に終刊になったが、いまも当時の〝作品欄〟の思い切った選が忘れられない。その後も龍太先生ならどう判断されどう取捨されるであろうかと、クエッションを想定しながらの作句を心がけている。
(あとがきより)
◆収録作品より
湯気立てて鶯餅の生れけり
出目金の黒美しき五月かな
初氷かかげ登校して来たり
ぼたん雪旅の時間の止りたる
雨つぶの走れる車窓芽吹きどき
春の雷遠くともまた近くとも
てんと虫肩に止れり天気よし
雨脚を見送ることも能登の夏
梟の目覚めし頃か会ひにゆく
はばたいて少女は雪を払ひけり
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[たかはたこうへい(1937〜)「郭公」同人]
装丁:君嶋真理子
四六判変型ソフトカバー装グラシン巻
174頁
2017/5/26刊行