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◆ 第一句集
稲葉明日香さんの作品をつぶさに見てゆくと、哲学的な志向に裏打ちされた作品が句集の大半を占めている。西洋哲学あり、東洋哲学ありで実にバラエティーに富んでいる。そうかと言って少しも観念的に陥ってはいない。寧ろ、自然と自己の融合が成されており読者に強烈な印象を与える作品が多い。
(序・山崎十生)
噴水のてっぺんにある不動心
陰陽の滅びの美学冬花火
満月に迎へられたる歓喜天
裸体にて座禅組んでる露の玉
月光に暗殺されし蝸牛
疎開の村霧の一座が消えていた
鬱の日は過客なるべし露の玉
にはたづみ地球の歪み直したり
丸くなるために歪みしシャボン玉
亀鳴くや神話の国の息づかひ
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「紫」同人
定価 本体2476円+税=2600円
序文・山崎十生
装丁・君嶋真理子
四六判上製カバー装
180頁 2007.06.21刊行