◆第四句集
このさきはボクのほそみち秋の風
平和に慣れて久しいこの頃、なにやらきな臭い世の中の動きに怖れを抱きつつ、ささやかな日常をこれからも大切に詠んでいきたい。
(あとがきより)
◆自選十句
春の野に地球の鼓動聴きにゆく
晩年の夢捨てざれば海市立つ
デボン紀の青を下さい五月の海
夏が好きをんなが好きでアルデンテ
オキナワや遺骨のやうな骨拾ふ
嫌なことしない生活ところてん
七十年撃たざる国の晩夏光
たぶんもう動きたくない秋の河馬
マルメロの実の黄ばみたり朝の日矢
青ざめたダビデの裸像冬に入る
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[やまなかまさみ(1937〜)「野の会」無鑑査同人、「船団の会」会員]
栞:鈴木明・坪内稔典・的野雄
装丁:和兎
四六判変形フランス装ビニール掛
156頁
2017/4/17刊行