◆第一句集
葦の芽の切つ先はまだ水の中
葦牙のみずみずしさ、萌え上がる力は、まさに美代子さんの俳句そのもの。これからどんな句の姿を見せてくれるのか、大いに期待したい。
(序より・中根美保)
◆収録作品より
寒晴れの海をそびらに真竹割る
雪をんな風踏むやうに橋渡る
夕ざくら竈火燠となりにけり
花屑のつもりて夜みちほの白し
棚なせる青田を月の渡るなり
昼までにすこし間のある酔芙蓉
月の椅子ひとつ残して夫逝けり
地の冷えの茎あをあをと曼珠沙華
葱提げて探鳥会の帰りなる
用なきに港へ来たり年の暮
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[たけいみよこ(1929〜)「万象」同人「一葦」所属]
序:中根美保
装丁:君嶋真理子
四六判フランス装グラシン巻
218頁
2017/4/2刊行