◆第一句集
退職はスタートなりし日記買ふ
この句集『輝く子』は、三十八年間続けてこられた教員生活にピリオドを打たれたのを区切りとして上梓されたということだ。題名も啓子さんの言葉を借りると「今まで『輝く子たち』に囲まれて過ごした教員生活の思い出として」付けられた。
(序より・稲畑廣太郎)
◆自選十句
進路まだ決まらぬ生徒極暑来る
新米の粥にはじまる離乳食
ラグビーの風まで敵にまはりたる
春一歩進めば一歩後ずさり
黄落や教室一つづつ灯り
風五月こぼるるものはみな光り
国語より算数よりも兜虫
野遊のやうな授業となりにけり
わが旅の先へ先へと鰯雲
夏休近づくほどに輝く子
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[ふじいけいこ(1954〜)「ホトトギス」同人]
序句:稲畑汀子
序:稲畑廣太郎
装丁:和兎
四六判ソフトカバー装
218頁
2017/3/13刊行