◆平成二十四年から二十六年までの第十句集
集名の『而今(にこん)』は、道元がいう「行持現成するをいまといふ」を、私はそれを命のひらめきの「今」と捉えて句集名としてお借りした。
むろんそれは私の願望である。
(あとがきより)
◆自選十句
男の子にも化粧ありけり初鏡
的皪と青空にして寒桜
妻言ひて箸とる日脚伸びにけり
仰ぎ見て旅は途中の初燕
喪の家を出て春霰に叩かるる
働きて直に一生夏椿
葉桜やいたはられゐる齢とも
湯上りの踝ありし秋の風
丹田にこころ鎮むる冬来たり
こころまた日にあたたまる帰り花
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[わきむらていとく(1935〜)]
装丁:君嶋真理子
四六判ハードカバー装
228頁
2017/1/27刊行