◆第二句集
悲しみの彼方、母への、
捜り打つ夜半の最弱音
( 吉田一穂「母」部分)
今年は父母の、ということは東日本大震災の犠牲者の方々の、七回忌ということで、ひとつの区切りとして句集という形に纏めてみました。 (あとがきより)
◆自選十句
空蟬や翔び去る母を押さへをり
花野より花の草履で帰りけり
蓑虫や介護ベッドを蓑として
呆けても京の和菓子の秋となり
蝶の瞳で地中海に目覚めしか
笑顔だけ母に似てくる鳳仙花
死の形のベッドの皺に春日差す
骨拾ふ箸長すぎて春嵐
骨壺を包めば紋白蝶となり
逝く春や耳寄せて聴くピアニシモ
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[いしはらじつげつ(1946〜)]
装丁:和兎
四六判変型ソフトカバー装
98頁
2017/3/1刊行