◆第一句集
夕暮は銀の櫂欲しすすき原
感覚の冴えと透明感があり、身辺句から飛躍し、明るさと品格のほどよさが作品の個性よい作品には季節感がただよっているといわれるが、まさにそうなのである。
(序より・望月百代)
◆自選十句
土星の輪かすかに春夜更けにけり
合歓の花あの泣き虫が母となる
夏至近し砂場にジャングルジムの影
遠花火鏡中の眼くぼみをり
夕暮は銀の櫂欲しすすき原
末枯やしあはせさうな水の音
真夜の落葉月のかけらかとおもふ
父母恋うてをり梟の啼く夜は
春着かな老いる形のいろいろに
蒸しタオル目に当て春の遠からじ
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[わたなべのりこ(1947〜) 「夏日」同人]
序:望月百代
栞:神野紗希
装丁:和兎
四六判変型半上製カバー装
176頁
2017/02/07刊行