◆第一句集
念珠買ふ旅となりけり冬紅葉
長く句作の道を励んできてふと顧みた時、自分の生きてきた折々の句を一集にしてみたいと思った。念珠買う清廉な旅ももちろんいい。しかし句作の旅路はまだまだ続く。江戸の町を笑いの渦に巻きこんだ南畝や紀定丸の風狂にこれから挑むのもいい。
(序より・鈴木しげを)
◆自選十句
立ち止るとき風のあり葛の花
川舟を繕ふおとや草の花
病院へ夫帰りけり雛納
岩たばこ雨のち雨の切り岸に
風花の止みて日暮れとなりにけり
みんみんや樫の固さは触れずとも
白南風や縞着こなすに気を張つて
等伯の墓へ行きつく暮春かな
如何にせむ風車など持たされて
秋風や首小きざみに烏骨鶏
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[さかいきみこ(1935〜)「鶴」同人]
序:鈴木しげを
装丁:君嶋真理子
四六判ハードカバー装
196頁
2017/1/27刊行