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◆ 第二句集
「気の狂れし渡り鳥あり北へ飛ぶ」
「殉教を願ひしか凍蝶となりたるは」
さまざまに表現された季語としての対象は、いずれも作者自身の化身であると言ってよいのであろう。これらは激しい情念の確かな形象化、もしくは昇華がなしとげられた秀句であろう。(帯より・矢島渚男)
流氷の岸うつ音や言葉欲し
そっ啄といふ刻のあり土恋し
のりものに少し睡りぬ西行忌
生きのびむ雛のしもべとなるために
夜桜と夜桜までのくらさかな
転生の明りか花のあかりとは
夕べ来て津軽八十八夜かな
刃こぼれのわが身をさらす燕子花
空蝉の軽さにも似て独りなり
かなかなに浸されし夜の髪重し
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「梟」同人
定価 本体2571円+税=2700円
跋文・矢島渚男
装丁・君嶋真理子
A5判変型上製カバー装
132頁 2007.03.03刊行