◆第三句集
落葉して前方後円墳古ぶ
古代の前方後円墳だが、それが落葉どきに、また年を重ねたと見たのである。
句歴の長い著者であり、句材の発見も、その表現も一致していて、見事である。
(帯より・鷹羽狩行)
◆自選十句
読み聞かせ佳境に入る冬日向
発掘の説明会に青蟷螂
山並のくびれをねらひ夜這星
枯畦をフェンシング部と剣道部
かつて闇米峠と呼ばれ木下闇
青麦や軍歌の世代多く去り
古雛の脛に傷もつ仕丁かな
駅伝に声援がとぶ蜜柑山
錦帯橋に嚙みついてゐる出水かな
戦艦陸奥悼みうなだれ松の芯
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[かきむらしんじゅ(1934〜)「狩」同人]
帯文:鷹羽狩行
装丁:君嶋真理子
四六判ハードカバー装
234頁
2016/12/23刊行