◆第一句集
魚になりしかかいつぶり浮いて来ず
潜って魚を捕ってるのが得意な鳰。もしかしてと、童心に返り、浮くのを待っている。
俳句は“子供の心で、大人の表現”であることを、着実に実践しているのが著者である。
(帯より・鷹羽狩行)
◆作品紹介より
豆撒くや鬼はいづこと孫の問ふ
門松の切り口の鋭き夜明けかな
てふてふを追ひて駆込み寺の中
鯉のぼり目をみて話すこと教へ
春寒や竹人形の鬼女の舞
里山のくろぐろと寄せ秋の暮
聴衆の咳をさまりて二楽章
たんぽぽや校門までのかけくらべ
仏壇の鶯餅のいつ鳴くや
大花野迷ふてみたくなりにけり
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[やまもとよしろう(1936〜)「狩」会員]
序句・帯文:鷹羽狩行
装丁:君嶋真理子
四六判ハードカバー装
146頁
2016/12/23刊行