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◆ 第一句集
笙鼓七波氏の句は、日本の伝統精神を根底に置きながら、それに西洋の詩精神を見事に調和させている。また、俳句の基本たる写実性を守りながら、その俳句を象徴詩的なシンボリズムにまで昇華させている。あくまでも俳句でありながら、詩でもあり得るという意欲的な試みが、ここになされているのである。(帯・大輪靖宏)
水天の光りと翳り蓴ぬなは生ふ
初蝶の光に化粧けはふひらひらと
天降あもる蝶火焔となりて風と消ゆ
紫木蓮 火群ほむらなしてぞ昇りゆく
鍬形虫夜天の月を捧げ持つ
蹲踞つくばひの内にたゆたふ月天心
鮭遡る銀鱗キラリ跳躍す
寂として時止まりをる湖 うみの秋
黙契のごと 群集 くんじゅせむ寒立馬
凍鶴のそつと脚替へ眠りをる
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帯・大輪靖宏
装丁・君嶋真理子
四六判上製カバー装
208 頁 2007.04.04刊行