◆第一句集
木犀の夜は鱗片の降るごとし
横田純さんは、私の親しい友人であり、たった一人の弟子である。
頼りない私を師と仰ぎ最大限の敬意をはらってくださる彼女の純粋さを、またそこから生まれるそこはかとないユーモアを、読者はこの句集から感じとることであろう。
ゆっくりとだが打ち込んできた俳句を、こうして一冊にまとめあげたことを泉下のご主人はきっと喜んでくださるだろう。
(序・大石香代子)
◆大石香代子選
ひそと寄る犬と夜寒を分ちあふ
天金の静かにはがれ初日記
計算機外貨換算初鰹
願はくは来世も夫と春の星
青墨に祖父の匂ひや夕桜
伊東屋の赤きクリップ神無月
夫の身に恙あらすな寒卵
明易し好きよ好きです鳥歌ふ
我が齢戦後七十年極暑
今し世に悲しみあるも冬の蝶
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[よこたじゅん(1944〜)]
序:大石香代子
装丁:君嶋真理子
四六判ハードカバー装
220頁
2016/11/25刊行