◆第三句集
赤子はやべつぴんさんや山桜
美しい山桜の宿で、庭下駄に下り立って、先生はじめ「晨」の十名ほどの皆さまと共に、ただ黙って、金剛山に沈んでゆく美事な夕日を眺めたことは、生涯忘れることはないでしょう。
(あとがきより)
◆『金剛』十二句抄より
どこにでも日輪一つあたたかし
さへづりやたうとう落ちし蔵の壁
踏青の二度まで柵を跨ぎたる
耕して大日寺の裏に住む
奥つ城のほかは春田でありにけり
門入ると襖外してゐるところ
網戸より沖の一線濃く見たり
子規の顔生きて一つや望の月
風の鳴るやうに虫鳴くところかな
石蕗の花さかまく波をよそに咲く
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[くさふかまさこ(1943〜)「青草」主宰・「晨」同人]
装丁:君嶋真理子
四六判ハードカバー装
192頁
2016/11/21刊行