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◆ 第一句集
句集の題名に「青き踏む」と名付けられたのは集中の次の句からであろう。「ロボットの膝は柔らか青き踏む」現代的なモチーフを瑞々しい感覚で捉えて共感できる。「青き踏む」は新しい時代への俳句という大地へ踏み出す前進の象徴とおもわれて爽快である。
(序より・本橋定晴)
ロボットの膝は柔らか青き踏む
モスクワつ子もМакдоналдсマクドナルドへ春の街
旅なれば妻サングラスためらはず
新宿を丸洗ひして夕立去る
汗のシャツサッカー選手のやうに脱ぐ
恐竜の頸椎見上げ日焼けの子
袖で拭く信濃の旅の青林檎
理科室のヒトの骨格ちちろ鳴く
山寺のこんにやく熱き翁の忌
羽子板市モナリザ買はれ行きにけり
「天穹俳句会」同人 (1937〜)
定価 本体2667円+税=2800円
序文・本橋定晴 跋文・福田龍青
装丁・君嶋真理子
四六判上製函装
244 頁 2007.03.28刊行