◆第一句集
紅葉降る音積もる音踏み行くおと
「山歩きのように一歩一歩を大切にして俳句の道を進みたい」という美代さんは、学生時代から山登りに親しみ、国内の多くの山をはじめ、海外にも足を伸ばしてこられた。
俳句に出会い、登山に俳句の眼をもってのぞんだことから、この臨場感と躍動感に満ちた句集は編まれた。
(帯より・高橋道子)
◆自選十二句より
早蕨やただ野の匂ひ欲し来る
胸突きや囀りやまぬ幹仰ぎ
吊橋を過ぎて身の揺れ鳥交る
万緑や徒渉の水の盛りあがり
足跡も雪風紋と化しながら
はればれと定年の日の花粉症
山小屋より微酔の一歩銀河濃し
生ぐさきまで岩なめらかや紅葉川
背に馴染むリュックや四囲のちんぐるま
今といふ暫定点に藤垂るる
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[なりたみよ(1950〜)「鴫」同人]
序:井上信子
帯:高橋道子
装丁:君嶋真理子
四六判ハードカバー装
212頁
2016/11/1刊行