◆第一句集
少しだけ夢を片付け冬籠
珍しい素材でもなく、変わった言葉を使っているのでもない。ただ日常に起こるふつうのことをふつうの言葉で言っただけである。そのふつうの言葉に深々とした思いが宿っている。
(『朝日俳壇2014 俳句は文学である』より・長谷川櫂)
◆自選十四句より
陽炎を置き忘れたり夢のあと
大切なひと大切に良夜かな
枯葦や再び朝日射してをり
我眠る故に我在り帚草
まぼろしのしつぽ追ひかけ猫の恋
煩悩の足止めて見し濃紫陽花
驚きを忘れし我に秋の水
天の川してきたことのすべて見ゆ
夏蝶の視界のなかにゐるわれら
海風に吹き飛ばされし秋思かな
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[まきはらゆうぞう(1956〜)]
序・帯文:長谷川櫂(『朝日俳壇2014』より引用)
装丁:君嶋真理子
四六判ソフトカバー装
208頁
2016/11/20刊行