◆ふらんす堂叢書 俳句シリーズ1
朴の花また一年の巡り来て
虚子先生の唱えた「花鳥諷詠」とは、季題を讃美する詩。花も鳥も人も同格と観じて、太陽の恵みに生を営む人達の詠う、潤いのある詩と信じて七十余年。詩の潤いは心のゆとりに通じます。
(あとがきより)
◆福神規子抄出十句
誰彼の誰彼も逝き虚子忌かな
わが町は相州浦賀時雨るる日
恋心椿に寄せて老いにけり
耳までも賢さうなる子猫かな
鴛鴦の雌の地味なる賢さよ
寒鴉阿呆と鳴きぬ諾ひぬ
法師蝉鳴き継ぎ人は生まれ継ぎ
秋風や世に本物と贋物と
破蓮や枯れゆくものに音のなく
この国の政変しらず鴨浮寝
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[たかだふうじんし(1926〜)「雛」主宰]
装丁:和兎
四六判変形フランス装
2016/09/25刊行
188頁