◆第二句集
牧野先生ゆりの木の花咲きました
たなか游さんは純な眼差しの持ち主である。だからその眼の捉えた句の世界は澄んでいる。常乙女のような眼差しの捉えた新しさに句がかがやいている。
(帯より・茨木和生)
◆自選十二句より
花さびた天領の水ゆたかなり
春の山ブラウニングの詩を諳じ
願文を写してをりぬ春の雪
楸邨の句碑へなだるる天の川
ひらがなの手紙八月十五日
コスモスの百本の揺れあたたかし
筆筒の螺鈿のひかり色鳥来
悴みて弁慶の笈重さうな
笹鳴や落款の位置決めかねて
福寿草芯にひかりを束ねけり
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[たなかゆう(1947〜)「運河」「街」同人]
帯文:茨木和生
装丁:菊地信義
四六判ハードカバー装
200頁
2016/10/09刊行