◆ 第二句集
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河村さんの句は写実を大切に実感を瑞々しく表現して、清澄な詩情を湛えている。加齢による心境の深まりは故郷への郷愁と共に一巻に深い情趣を添えて、独自の豊潤な世界を樹立し得た。
鏡餅をんなの一生ながきかな すみ子
労働省婦人少年局に女性の先達として勤務した作者の、卒寿を迎える第二句集。
(帯より・鍵和田柚子)
初山河空の蒼きに飢ゑすこし
真かがやく冬日や鳴門渦巻けり
舟小屋に冬の一舟六義園
春の虹くぐりて米の運ばれし
古書店に魯迅の写真春深し
ひとりづつ拠りて緑蔭ひろげたる
遠江夜のしらじらと水鶏かな
砲身に沖縄の痕きりぎりす
諦めて笑つてしまふ酔芙蓉
身をしばるもののなかりし桐一葉
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「未来図」同人
定価 本体2762円+税=2900円
帯・鍵和田柚子
装丁・君嶋真理子
A5判フランス装
200頁 2007.02.17刊行