◆ 第二句集
三宅やよいは言葉を繰り出す名手だ。
直球で待つとカーブ。カーブと思うと直球。
今度こそカーブだと待つと、カーブ。
が、予想を超えて鋭く曲がり落ちる。
この変幻自在な言葉たちを、あなたは真芯でとらえることができるか。
(帯・清水哲男)
たんぽぽと犬の足りないフジテレビ
写真はみだす煙突も囀りも
芽吹くまで臍のあたりに手をおいて
股間よりのぞく青空春休み
ナイターのみんなで船に乗るみたい
産みたての赤子並べる日雷
十五夜がきれいに剥けるゆで卵
桃缶のふちのぎざぎざ夜の客間
雪山を半分省略して帰る
鮟鱇の部長課長と並びおり
(小西昭夫抄出)
「船団の会」会員
定価 本体1905円+税=2000円
帯・清水哲男 十句選・小西昭夫
装丁・辻 憲
四六判変型上製カバー装
144頁 2007.01.24刊行