◆最新詩集
気がつけば傘寿。とっくに彼岸に渡っている歳になってしまいました。老いの勾配も正直に顕れているようで、「山姥の唄」と名づけるゆえんです。
(あとがきより)
◆「老JAPAN」より
〈恍惚〉朝食のパンをトースターに入れたまま
夕方になってしまった
「電話しなくちゃ」とガラケーを掴み
相手の名前を思い出せない
油を探して西へ西へ
踏みにじった国々を憶えていない
強い男に喧嘩を売って
撃たれた深傷でいまも跛行
平和を愛して
あんなに高らかに唄ったのに
今はもうその歌詞を忘れてしまった
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[ともきよけいこ(1936〜)]
挿画:友清恵子
装丁:和兎
四六判並製カバー装
80頁
2016/7/23刊行