◆第一句集
風に乗るウインナーワルツ聖五月
広汎な旅行吟に、惠子俳句の際立った特色を見る。ウインナーワルツ一連は、知情意の調和した海外詠の一高峰で輝かしい。
(帯より・千田一路)
◆自選十二句より
樏のまだ濡れてゐる狩の宿
炉話や田の神さまの座を設け
通過してゆく極月のエレベーター
屋根の雪溶けてまた雪二タ七日
香水をつけオペラ座の立見席
冬の月ハンドクリームたつぷりと
畦道を足裏よろこぶ昭和の日
梅雨明けの苔踏む猫を叱りをり
オムライスにパセリ一片クリスマス
サンドレス着てゲルニカに逢ひにゆく
*
[みなみけいこ(1947〜)「りいの」同人]
序・帯:千田一路
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
218頁
2016/06/29刊行