◆第七句集
名句「雪雲の天より暗き沼なりき」「木の葉ふりやまずいそぐないそぐなよ」などで「詩情的心映句」を目標にするようになった。これからも「詩情的心映句」に頑張りたい。(あと書きより)
◆収録作品より
眠りても深山の威容かむる此処
ここ枯れて死期なる点り烏うり
年の瀬の遠出この地も近き佳句
積雪の浄土いま踏み詠まむ佳々
とも去りて今ゑみ失せて木守柿
くくられて冬菜いま此こ白き黙
眠る山とは言へ向けば諭すもの
初富士を追ひ負ひ妻と今朝散歩
故父母の威そして優しさ初山河
無佳地さへ故師の励まし初句作
*
[あらいみなじ(1941〜)「寒雷」同人]
装幀:君嶋真理子
四六判上製函入
160頁
2016.06.01刊行