◆第一句集
流れ去る水に散る影花菖蒲
「水に散る影」とは仲々詠めず、それが「流れゐる」でなく「流れ去る」と表現
したことで、句に深さが入っている。(序より・深見けん二)
◆自選十句
若水を一鉢毎に注ぎけり
丸ビルのステンドグラス燕来る
父眠る寺に木蓮花盛り
曲屋の縁の先なる小菊かな
流れ去る水に散る影花菖蒲
日盛や石の真下に石の影
秋深し森の奥なる城の跡
百号や千代田の松へ冬日燦
夕立の上がりて山の青さかな
鰮雲ウィーンの森の物語
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[はらまこと(1948〜)「花鳥来」所属]
序:深見けん二
跋:本井英
装丁:君嶋真理子
四六判フランス装グラシン巻
184頁
2016/05/26刊行