◆第二句集
何が起きようと、私はただ「今」を生きる「人間」を詠むだけである。私にできることはそれしかない。(あとがきより)
◆収録作品より
病弱が売りの男や杉の花
アスパラガス茹でるやさしさにも限界
エナメルのブーツに踏まれ御水取
流されてゆくくちなはもいもうとも
ポインセチア( 中略) 泣いてゐる女
大潮の夜を落ちたる椿かな
落椿跨いで帰る家がある
今日のぶん明日のぶんの目刺かな
骨よりも白き桜と咲きにけり
おのおののひとりのときのいぬふぐり
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[かとうしずお(1953〜)「鷹」月光集同人]
装丁:和兎
四六判変形並製カバー装
148頁
2016/05/16刊行