◆第三句集
自然界の物の存在の不思議、詞の不思議を改めて思う。その不思議を探っていきたい。
(著者)
◆自選十五句より
大寒の炎に仕へ刀鍛冶
暮れ残る大白鳥の渚かな
似顔絵の虚子の太首冬座敷
涅槃図に南蛮の犬耳を垂れ
たんぽぽの絮とぶヒト科亡びしあと
草に寝て水の匂へる暮春かな
人麻呂も貫之もゐる屛風かな
内股の一遍さまに初音かな
人もまたほぼ同じかほチューリップ
名を変へて大堰川なり桜餅
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[すがみお(1935〜)「晨」「梓」同人]
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
172頁
2016/03/24刊行