◆第四句集
収穫のキャベツ水玉こぼれけり
「個」と「場」の関係への意識が自然に「造化に従う」俳句的なものにつながってきたように思います。(あとがきより)
◆自選十句
抱卵のにはとり闇のやはらかし
足掻きゐし種つけ豚の立ちあがる
耕耘機子供を乗せてやりにけり
蛙跳びうぐひす高音種下ろし
田植靴脱ぐは踵を産むやうに
あをあをと村あり麦藁帽子古り
田水足す稲の花屑走らせて
垂穂田の穂ずれ衣ずれ蓮華蒔
稲刈や総出にはづむ乳母車
すくも焼く通りすがりのあたたかし
*
[まえだるな(1944〜)「屋根」所属]
装丁:和兎
四六判ペーパーバックスタイル
186頁
2016/02/12刊行