◆第一句集
春一番ぶんぶんぶんと行きにけり
今後「夏日」の作家としての活躍の場もますますひろがって行く事と思う。個性を失わず、のびやかに進んで欲しいと願い、第一句集上梓の祝福とする。(序より・望月百代)
◆自選十句
春一番ぶんぶんぶんと行きにけり
忙中閑ありしやぼん玉飛ばさう
春光や亡父の形見の羅紗鋏
ミルクより白き雲行く野分前
一山の闇動き出す蛍かな
女ざかり素足に鼻緒食ひ込めり
山伏のごとく歩きて秋の山
小望月この世生くるにバネ欲しき
良夜かな酔ひつつ食うぶ小籠包
夫の老い見え隠れする冬の旅
*
[まなべみちこ(1945〜)「夏日」同人]
序:望月百代
装丁:和兎
四六判上製カバー装
158頁
2016/02/02刊行