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◆ 第二句集
この度、まとめられた作品を、読み直してみて、どの句からも茉莉さんの表情が見えることに、ある力強さと俳句はこれでいいのだという思いが、私の胸を過ぎった。それは、その折々の込み上げて来る感情を押さえて、季題に語らせる、季題に託すという手法に、いささかのゆらぎもないことに因る。(三村純也)
●『寒の月』自選一〇句
旅好きの病父に春の時刻表
親見えて来るまで静か燕の子
三尺寝次の船荷の着くまでを
向日葵や手首切るほど才の無き
元歌手のマスター老いて水中花
復興の街地車の巡行す
人に混み魂ににぎはふ迎鐘
虫鳴きて虫鳴きてあの夜のこと
あの家は何人所帯蒲団干す
鶯を鳴かせし人も日向ぼこ
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「山茶花」同人(1944〜)]
定価 本体2190円+税=2300円
序・三村純也古
装丁・君嶋真理子
四六判並製ソフトカバーグラシン巻
196頁
2007.01.31刊行