◆第一句集
ほのかなる大地のぬくみ冬桜
神蔵器主宰にはじめて見えた時の句です。凜と立つ「冬桜」に師の姿を重ね、大地の温みに師のぬくもりをひしと感じ、精進の一歩を踏み出します。(跋より・南うみを)
◆自選十二句より
千の手に千の剝落蟬しぐれ
ふたりゐてそれぞれの風秋桜
満月の少し歪や赤子泣く
八月の水の上ゆく人のこゑ
神様のくすぐつたくて七五三
はうれん草母より長く夫とゐて
てのひらの蛍をははのてのひらに
へらへらと沈みゆく皿水温む
散る花に遅るる風のありにけり
金魚鉢みんな覗いてゆきにけり
*
[いけだみつこ(1945〜)「風土」同人]
序句:神蔵器
跋:南うみを
帯:神蔵器
装丁:和兎
四六判並製カバー装
214頁
2016/02/01刊行