第32回「詩歌文学館賞」受賞!
◆第十四句集
白寿まで来て未だ鳴く亀に会はず
最近の心身の衰えの早さを思うと、うっかりしていると何もかも手につかなくなりそうな予感がして、白寿という目出度い年に、その名も厚かましく『白寿』と銘打って、最後の句集を纏めさせていただくことにした。(あとがきより)
◆自選十五句より
六甲も摩耶もわが山初明り
かく雪の日なりき二· 二六の日も
父恋ふ子子を恋ふ父や花に黙
ぱつと明るきはミモザの花のせゐ
これがその神田の生れよてふ祭
来し方を晒すが如く書を曝す
文字摺の花が次第に渇筆に
或る夜ふと父母の夢見し子蓑虫
鵺塚のほとりで吹きし瓢の笛
何となくペンの動きも春めいて
Amazonでの本の購入はこちらより→ Amazon
*
[ごとうひなお(1917〜)「諷詠」名誉主宰]
装丁:和兎
四六判変形フランス装
2016/01/08刊行
190頁