◆第一句集
戦あるな家鴨水牛蝉しぐれ
同行したベトナムでの作。人間のみならず、生きとし生けるもの、すべてが平和であるようにとの祈りと願いがこもる。さらに作者の戦後七十年の歳月も映し出されている。
(帯:高野ムツオ)
◆自選十句
稜線に天使のはしご山笑ふ
水音よし晩節のよし五月来る
春光やわれは八十路の手習子
春疾風兵器国際見本市
巣燕に銀行軒を許しけり
海渡る軍馬に草を刈りたりき
立春大吉詐欺師のシネマ観て帰る
マンデラ逝く木枯のふと止みし日に
土筆野やフクシマのこと草のこと
大寒の戸を乾坤に開け放つ
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[たけうちようこ(1931〜)「小熊座」会員]
序:高野ムツオ
装丁:和兎
A6判ペーパーバックスタイル
96頁
2015/11/11刊行