◆第一歌集
炎昼の舗道に出でてポストまで
独りの影とともに歩めり
平成25年より27年までの250首を収録した第一歌集
紀行文「佐渡」を収録
(帯より)
◆収録作品より
立春の角筈に出て書肆に入り
サルトルの書を手にし日はるか
友のもとへメールで歌を送りつつ
百日すぎし麦の秋かな
新しき詩のこころは得がたくて
いつか来ている雪の駅かな
大寺の黄菊白菊展げたる
日陰をよぎり寂しかりけり
国敗れて七十年目の正月来
荷風の日記しみじみと読む
*
[はせがわたろう(1948〜)俳誌「秋」「桔槹」同人]
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
2015/10/20刊行
176頁